どーも、双子で世界放浪中のタビートニクです。
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前回カラカルパクスタンの首都「ヌクス」について紹介しましたが、
今回はヌクスからアクセス可能なアラル海について紹介していきます。
アラル海の歴史
アラル海はウズベキスタンとカザフスタンにまたがる塩湖で、かつて世界第4位の湖水面積を誇っていました。
また、1960年までは漁業も活発に行われていてアラル海は「シルクロードのオアシス」と呼ばれるほど、生態系が豊かな湖だったそうです。
しかし1960年代、ソ連(1991年まではソ連の一部であった)はアラル海の東に広がる乾燥地帯を農地に変えようと灌漑を始めたそうです。
その結果、新しい農地で綿花栽培が盛んに行われ生産量が急激に増えましたが大規模な灌漑農業のせいでアラル海が縮小しました。
ある時は一晩で数十メートルも湖岸が後退することもあったらしく急激に枯れていったそうです。
それに伴い湖水の塩分濃度が上昇していき、2000年に海水の2倍の濃度の7%になると、ほぼ全ての魚が死滅し漁業が衰退しました。
これがアラル海が20世紀最大の環境破壊と言われる所以です。
今回はそのアラル海の中にある「船の墓場」に訪れてみました。
アクセス方法
ヌクスからアラル海(船の墓場)のアクセス方法を説明します。
まず、ヌクスのバス停に向かいます。
午前9時にバスが来るみたいですが、結構適当です。僕らの時は10時半に出発しました。
なるべく時間に余裕を持って向かった方がいいかも知れないです。
料金は1人30,000ソム(370円)でムイナクまでは3時間半くらいでした。
船の墓場まではバスを降りた場所から5キロくらいの所だったので歩いていきました。
この日の気温は45度くらい…めちゃくちゃに暑い笑
初めて経験する暑さですぐにバテました。
5キロほど歩くと砂漠地帯が見えてきました。
そろそろ船の墓場に着きそうです。
船の墓場
砂漠地帯に錆びた船たちが突如として現れました。
ここにかつて湖が存在したとは思えないほどにカラカラに乾燥していてとにかく暑く、船が似合わなかったです。
とても不思議な感覚に陥りました笑
僕らが訪れたときは1組しかいませんでしたが、結構観光客が来てるみたいで船の至る所に落書きが施されていました。
誰かが登っている形跡があったので船の上に登ってみました。
登ってる時に鉄が暑すぎて手が溶けそうでした笑
錆びていてかなり老朽化が進んでいる。
この辺はいつ頃干からびたんだろう?
近くにアラル海の歴史が説明されているポスターが展示されていました。
1973年はまだムイナクには水があることがわかります。
その15年後の1987年には完全に干からびていますね…
1970年代には年平均60センチのペースで水面が低下していったそうです。
どんだけ減るねん!恐ろしい!!
ソ連の大規模な灌漑農業、恐るべしですね。
まとめ
20世紀に入って、科学の発展が産業や経済の発展をもたらして、現在の超大量消費社会を生み出してきました。
しかし僕たち人類にとって大量消費社会は便利な社会をもたらした反面、環境問題などあらゆる諸問題を引き起こす結果となり、それらが人間社会に脅威をもたらす可能性さえも生み出しました。
つまり便利な社会が逆に不便利な世界を作ってしまう可能性を示唆しているということです。
今回のアラル海の問題に焦点を合わせると、綿花の大量生産の為に行った大規模な灌漑農業が湖の枯渇を引き起こしました。
これにより砂漠化や生態系の破壊(もちろん水の生き物でなく、その周りに住んでいた生き物にまで影響を与えた)、人々への砂塵などによる健康被害、労働破壊(漁業の衰退)などをもたらしたわけです。
さて20世紀から始まった「大量消費社会」、果たしてこれは僕たち人類にとって必要なことなのでしょうか?
今ここで人類はその過ち(歴史)と向き合い、学び、より良い社会や環境の為に一人一人が何ができるのか考えることが重要なのではないかと感じました。
旅の様子をYouTubeで発信していますので是非見てみて下さい!!